私は高校3年(1979年)から「イベントDJ」として大学祭・ダンパ・リゾート地のDJをはじめました。
まだ学生だったので、昼夜逆転生活になる「専属DJ」の道は選ばず、フリーの道を選びました。
シフトに縛られることなく時間的にもフリーなイベントDJは、気軽でさほど寝不足にもならない点が良かったんですが、その反面大量のレコードを置かせてもらう場所もありませんでした。
といって、毎回大学祭やリゾート地に、レコードを詰め込んだ大量の荷物を持ち込むのはすごく大変。
そこで、苦し紛れに考えついたのが「カセットテープDJ」でした。
カセットテープにはメトロノームで計ったBPMや、各曲の開始時点のカウンターがカセットテープのレーベルに記入してあり、頭出し部分を明確にするために、リール部分にはマジックで印を付けていました。
でも、カセットテープは常に巻き戻し状態とは限らず、そうなるとゼロカウンターが狂うので早送り/巻き戻しで曲を探すしかなく、頭出しには大変苦労したものです。
ターンテーブルは直接押し引きで速さを微調整できますが、カセットデッキはピッチコントローラーのみで、そりゃーもうその難易度といったら耳を研ぎ澄ました超リズム感が要求されました。
今思えば泥臭い超アナログ的な職人技ですが、ターンテーブルと遜色なくキレイにミックスできました。
今はパソコンによるビジュアライズMIXにより、ヘッドホン無しで誰でも簡単に曲をつなげられるようになりましたが、アナログ時代の方が「技量」に顕著な差がつき、DJとしてのステイタスも高かったです。
おまけにギャラも高かったし、オンナにも超もてたし、あの頃がなつかしいなぁ。